1.夢百合草(あるすとろめりあ)
作詞:さだまさし
作曲:さだまさし
間違ってなどないからねと
誰かが言ってくれたら
少しは救われるかしら
一生一度のこの恋に
回る因果の糸車
紡ぐしあわせ不幸せ
夢見る夢子の夢百合草が
あるすとろめりあ
あるすとろめりあ
そっと昨日を消しに来る
あるすとろめりあ
あるすとろめりあ
愛しい人を連れて来い
あなただけしか見えないのじゃなくて
あなただけしか見ないのです
少しは伝わるかしら
一生一度の恋故に
回る因果の糸車
紡ぐ喜び哀しみ
夢咲く夢子の夢百合草が
あるすとろめりあ
あるすとろめりあ
そっと明日を置きに来る
あるすとろめりあ
あるすとろめりあ
愛しい人を連れて来い
2.非因果的連結(シンクロニシティ)
作詞:さだまさし
作曲:倉田信雄
子供の頃に僕は大きな鳥にあこがれてた
あの山の向こうに広がる自由を夢見た
どこまでも青い空を飛び続けたかった
青春を迎えて僕は恋にあこがれた
世界のどこかにいるはずの愛する人に
偶然を装う螺旋状の 非因果的連結(シンクロニシティ)
君はまだ 僕を知りもせず
出会う日を 待っている
僕は誰 何のために生まれ
僕は何故 生きてる
解らなくて 泣いた
大人になって僕は名誉と力を求めた
嘘も見栄も覚えて自分を傷つけただけ
そして今大きな鳥にまたあこがれてる
大空を自由に飛びたい
何処までも 空高く
僕は誰 何のために生まれ
僕は何故 生きてる
大空を自由に飛びたい
できるなら 君と二人で
僕は誰 何のために生まれ
僕は何故 生きてる
解らないけど 泣かない
3.春待峠
作詞:さだまさし
作曲:さだまさし
白い 白い雪の下を 流れる水に
色とりどりの鯉 揺らいだ
青い 青い空を写し 流れる水に
君の淋しそうな 笑顔が揺れた
また会えるかな きっと会えるね
春待峠 去りゆくバスを
追いかけながら 走ったねきっと
雪どけの頃に 必ず
遠い 遠い君の心 尋ねるように
夢とりどりの恋 はじけた
強く 強く祈ったら いつか叶うかな
二人 手のぬくもりを 抱きしめる春
また会えるかな きっと会えるね
手を振りながら 声を限りに
叫んだ恋は 届いたかな
君が好きだと
また会えるかな きっと会えるね
春待峠 去りゆくバスを
追いかけながら 走ったねきっと
雪どけの頃に 必ず
4.君の歌うラブソング
作詞:さだまさし
作曲:さだまさし
君の歌う切ないラブソング
ラジオから聞こえる 僕との恋の歌
今はもう過ぎ去りしラブソング
すれ違う心を止められず別れたあの日
サヨナラの代わり
君に手渡されて
そのまま読まずにいた手紙
そっと開けばそこに
添えられてた「もう一度だけ」の魔法のカード
明日は別れて二度目のクリスマスイブ
今更に聴き返すラブソング
僕だけに聞こえる魔法の呪文
「もう一度」そんな名前の港のカフェ
二人の懐かしい恋のふるさと
いつもの窓の
星の見える席で
今降り始めた雪を
眺めながら君を待てば
5.勇気凛凛 ~故 加藤シヅエ先生に捧ぐ~
作詞:さだまさし
作曲:さだまさし
小さな事で少しも うじうじすることなどなく
つらいときこそ明るく いつもいつも笑っている
心広く情け深く 安売りせず高ぶらずに
敵には強く味方には頼もしくて大きい
そんな人に あなたならなれる
夢を捨てず 夢に溺れず
二人支え合って歩く
いつか そこにたどり着ける
花を咲かせます あなたに
私の夢はあなた
裏表を使い分けず 手柄は譲り恩は着せず
陰口など決して言わず 洒落はわかりすぎるくらい
女に弱かったり 欠点は幾らもあるけど
傷のない人は他の人の 痛みに気づかぬもの
忘れないで いつも信じてる
日本中が敵でも 私は味方
花を咲かせます あなたに
いつか日本一大きな
花を咲かせます あなたに
私の夢はあなた
ほころびは繕えばいい 傷は癒し合えばいい
あなたに出会えて良かった 私の特技はあなただけ
いつの日か別れの時涙ちゃんと二つこぼして
ありがとうと一番いい顔で 笑って言うからね
忘れないで いつも支えてる
世界中が敵でも 私は味方
花を咲かせます あなたに
きっと世界一綺麗な
花を咲かせます あなたに
私の夢はあなた
花を咲かせます あなたに
いつか夢にたどり着ける
花を咲かせます あなたに
私の夢はあなた
6.岬まで
作詞:さだまさし
作曲:さだまさし
山から吹く風が 妙に心地良いでしょう
倶知安の空の雲は 温か色でしょう
短い夏だけど 慌てる事もない
旅や恋なんて 急ぐものじゃない
岬まで行くなら あの娘に伝えてよ
来年の今頃には 会いに行くと
神威岬にハマナスが咲く頃
急がない旅なら のんびり ひと眠り
蝦夷富士を見上げながら 一杯やりましょう
人生という名の 一度きりの旅人
景色でも眺めながら ほろほろ歩く
岬まで行くなら あの娘に伝えてよ
どうやらこうやら 暮らしていると
神威岬のカモメにも よろしく
岬まで行くなら あの娘に伝えてよ
約束通りに 迎えに行くと
神威岬の 霧が晴れた頃に
神威岬のハマナスが咲く頃
7.ミスター・オールディーズ
作詞:さだまさし
作曲:倉田信雄
ミスター・オールディーズに会った
子供の頃から あこがれてたシンガー 足が震えたよ
港の側の場末の 小さなライブハウスで
ミスター・オールディーズが笑った 照れたように
嬉しいこと言うじゃないか 聴きなよボーイ
あの頃よりずっと深い あの唄を聴かせるから
落ちぶれたと思ったろう?
確かに暮らし向きはそうさ
でも判るだろう? 魂さえ売らなきゃ音楽は
落ちぶれなどしないものさ いろいろ衰えたけど
昔より良いことばかり 第一幸せだ
歳をとることは 悪いことばかりじゃない
ミスター・オールディーズが言った 聴きなよボーイ
誰でもいつか必ず 年寄りになるのさ
そんなことは少しも 悲しいことじゃない
悲しいのはねボーイ
自分を哀れむことさ
ね、判るだろう? 俺はあの頃より自分が好きさ
君もシンガーなら若いときに
もてはやされて捨てられるがいい
一番大切なものに出会うためにね
歳をとることは 悪いことばかりじゃない
痺れてたあなたにミスター
まばらな客席でミスター
あの頃よりずっと大きくて新しい
生まれて初めて 早く歳をとりたいと心から
あなたのようになりたいと
立ち上がって思わず叫んでた ブラボー
ミスター・オールディーズ
8.September Moon~永遠という一瞬~
作詞:さだまさし
作曲:さだまさし
酷く悲しい場面に心が凍り付く
摩天楼がゆっくり崩れ落ちる
New York New York 人はいつまで
こんな風に 傷つけ合うのだろうか
下弦の月が傾く東京
人ごとのように過ぎてゆく平和
君を抱きしめながら
涙こらえながら
見上げれば September Moon
酷く悲しい場面が繰り返される
爆撃と子供たちの笑顔
New York New York 信じることを
投げ出すのは あまりに悲しすぎる
永遠は一瞬の中にだけ
存在するものだと解ってるけど
生命(いのち)を歌うこと
愛を奏でること
決して あきらめない
君を抱きしめながら
涙こらえながら
見上げれば September Moon
9.瑠璃光
作詞:さだまさし
作曲:さだまさし
振り向けば薬師寺東塔の
軒を貫く眉月に
折から深き暁暗の
山際幽か茜雲
君の手を朧に引きながら
こころ波打つ春の暮
かはたれ時の鐘の音も
すでに尽きたか西の京
道に迷った訳ではなくって
闇にはぐれた訳でもなくって
過去と未来のすれ違う
重なる時の十字路に
立ちすくむ 恋
振り仰ぐ薬師寺東塔の
一千二百有余年
一瞬のまた永遠の
沈黙のその交響曲(シンフォニア)
ふるえる指でたどる二人の
短く長い物語
秋篠川に写すのは
すべての前かすべての後か
嘘を信じた訳ではなくって
真実(ほんとう)を疑る訳でもなくって
善と悪とが行き違う
逢魔ヶ辻の背中越し
立ち眩む 夢
10.小さな手
作詞:さだまさし
作曲:さだまさし
生まれた時に僕には
その小さな小さな掌に
大切そうに握りしめてきたものがある
生まれた時に僕は
この小さな小さな体よりも
ずっと大きな宝物を抱きしめて来た
右手には永遠の未来
左手には無限の希望
心は透き通って愛は
果てしなく深く
いつかしらぬ間に
僕の掌はこんなに
いつか大きく育ったけれど
握りしめたものは何故か小さくしぼんでしまった
生まれた時に誰もが
抱きしめてきた宝物がある
使えば使うほどに増えてゆく不思議で大切なもの
右手には溢れる元気
左手には強い勇気
たった一度の人生
たった一度だけの
いつかしらぬ間に
僕の掌は既に
とても汚れてしまったけれど
あと少しだけほんの一寸だけ頑張ってみようかな
仮に来年の春に僕の
生命(いのち)が尽きると判っても
その次の春に咲く花を
明日植えるように
生きてゆきたいと
生まれた時に僕には
その小さな小さな掌に
大切そうに握りしめてきたものがある……
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